死に至るケースも?過去の危険な美の習慣とは

「痛みを伴わない美しさなどない、美しくいることには痛みを伴う」などといった言葉を耳にすることがある。これは、いつの時代も美しさを維持するために、女性が費やしてきた努力に対する敬意だ。今日、キム・カーダシアンのような有名人は、メイクだけでも1日に1,700ドル以上も費やしている。しかも、これには美容整形やエクササイズ、華やかな取り巻きに費やされる費用は含まれていない。

キム・カーダシアンのルーティンは、いささか常軌を逸しているように思えるかもしれないが、歴史上には、これまでにも常識では考えられないような美のトレンドやテクニックが行われてきた。これらは高価であるというばかりではなく、まさに身体への危険をも伴うのだ。この記事では、歴史上使われてきたこうした(危険を伴う)変わった美のトレンドをご紹介しよう。これを読んだ後には、目じりで跳ね上げられているアイライナーや、唇をボリュームアップさせるためのリップフィラーも、そう悪くはないと思えるかもしれない。

鉛おしろいで、肌トラブル

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PolyGram Films/MovieStillsDB
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現在は、健康的な肌の色が人気ではあるものの、昔は真っ白な肌であることが基本的に良しとされていた。これは、白ければ白いほど、外で労働をせずに室内で過ごしていること、つまり富を象徴していたからだ。そのため、顔を白く見せるために、昔は男女ともに鉛白を使った鉛おしろいを肌に塗りたくっていた。

問題は、鉛が有毒であり、使い続けていると肌をダメにしてしまうということだ。エリザベス一世は、この鉛おしろいを使っていたことで知られているが、常に肌トラブルを抱えていたようだ。

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高く結い上げたヘアスタイルは燃えやすい

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Sony Pictures/MovieStillsDB
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17世紀には、髪を高く結い上げれば結い上げるほど、より尊敬を集めているとされていた。これは特に女性の間で流行ったヘアスタイルで、祝祭やパーティーの場では、髪を集めて異常なほどに高く結い上げていた。問題は、1600年代のパーティーで、灯りとして使われていたシャンデリアには、何の囲いもなく、ロウソクがそのまま使われていた。

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従って、多くの女性が行っていたこの高く結い上げた髪型は、パーティーの最中に火が燃え移ってしまいかねない状況だったようだ。この美のトレンドによって、「髪を高くすればするほど、神に近づく」というフレーズに新たな解釈が加わったと言えるだろう。

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纏足(てんそく)

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Bettmann/Contributor/Getty Images
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古代中国で行われていた女性の足をきつく縛りつけ、変形させるという習慣は、長きにわたる多難な歴史と言える。つま先を意図的に折り曲げ、足を常にきつく縛り続けることで、足を小さくしていたのだ。縛られた足の大きさは、平均して10cmほどだったという。

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女性を働けなくさせるこの慣習は、時代錯誤だと見なされ、1912年に台湾が誕生した際に禁じられたが、それまでは1,000年以上も続いていた。

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クリノリンは着心地が悪く、危険

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Daily Mirror/Mirrorpix/Getty Images
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今日では、ファッションとしてクリノリン(鯨ひげや針金を輪状にして重ねた骨組みの下着)が使われていることはほとんどないが、ほんの200~300年前まで、何層ものレイヤーを施した巨大なロングドレスは一般的に着用されていた。クリノリンは重くて着心地が悪いだけでなく、馬車の車輪にひっかかりやすく危険だった。さらには、火でもつけばすぐに燃え広がってしまう。

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18~19世紀には、クリノリンが馬車の車輪にからまったり、火がついて燃え広がったことで、着用していた女性が死亡したケースが数多くあった。

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緑の染料で命を落とすことも

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Roberto Machado Noa/LightRocket/Getty Images
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1814年、ドイツのとある会社が、新しく鮮やかな緑の染色を作りだすと、瞬く間に人気を博した。ビクトリア女王が統治していた当時のイギリスでは、人々はその鮮やかな緑色に夢中になったが、その染料に含まれるヒ素で死んでしまう可能性もあるなどとは、誰も思わなかった。

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ヒ素を使って染め上げた緑のドレスを着用した女性は、疥癬病などにかかった。染料によって髪が抜け落ちるばかりか、長く着用していることで、吐血や腎臓・肝臓機能障害に繋がることもあった。

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べっ甲のくしが爆発?

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Dea/A. Dagli Orti/Getty Images
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1800年代には、美しい髪飾り、べっ甲細工のくしを使った髪型が流行した。このくしは実際には亀の甲羅ではなく、セルロイドの化合物を使って作られていた。セルロイドは、綺麗に加工品が作れるものの、その性質は極めて不安定で、かつ燃えやすい。

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過湿だけでなく、くしを室温に置いておくことによっても、粒子が分解し、結果として自然発火する恐れがある。長年にわたり、多くの訴訟が起こったことにより、セルロイド製のくしは、現在は一切使われなくなっている。

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1920年代の靴クリームは、間違いなくFDAに認可されないだろう

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Daily Herald Archive/SSPL/Getty Images
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20世紀の初めに、使われていた靴クリームの最高級品は、主にニトロベンゼンと呼ばれる成分からできていた。これを使えば、靴はピカピカになるものの、残念ながら、その有害物質によって気絶する恐れがあった。

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気絶するだけなら、そんなに大したことではないと思うかもしれない。しかし、飲酒中にニトロベンゼンを吸い込めば、それは毒を摂取しているのと同じことだ。この靴クリームは20世紀初頭にすでに禁止されているが、その影響を考えると、もっと早めに禁止すべきだったのかもしれません。

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ハイカラ―は、血の巡りを悪くする

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Foc Kan/WireImage/Getty Images
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男性の流行ファッションは、たいていの場合、そんなに危険ではないのだが、19世紀に流行ったハイカラ―(高い襟のついたシャツ)は、気づかぬうちに死因となりうることもあった。1800年代後半、高くて堅い襟芯の入ったシャツが大人気となった。残念ながら、きつ過ぎる襟のシャツを着用すれば、血流が悪くなるために気絶してしまう恐れがある。

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1912年、ある男性が着用していたシャツの襟がきつ過ぎて首が腫れあがり、シャツの襟に絞殺されたケースさえあった。

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コルセットは内臓を圧迫

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Bettmann/Contributor/Getty Images
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コルセットは歴史上、有名な美のトレンドだが、危険なことでもよく知られている。何世紀にもわたって着用されてきたが、1890年代にその流行はピークを迎えていた。多くの女性がスタイルを良く見せようとコルセットをきつく締め、結果として肋骨にひびが入ったり、折れてしまったりしたのだった。

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コルセットは息切れの原因ともなるばかりか、着用している女性の内蔵を圧迫してしまう恐れもある。幸いにも、コルセットは時代遅れとなったが、最近、極細スタイルに見せるためのコルセットがまた復活している。

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チョークを口にするのは、白くなるための健康的な方法ではない

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Focus Features/MovieStillsDB
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鉛おしろいの危険性に気づき始めた人々は、鉛おしろいの代わりにチョークを顔中に塗りたくり始めた。しばらくの間は、単に顔をチョークで塗っていたのだが、19世紀になる頃には、チョークを食べ始める女性までいた。

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チョークは口に入れると有害であるため、チョークを口にした女性は、具合が悪くなり、(病気のために)青白く見えるのだ。

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まつ毛のエクステは、まぶたに縫い付けるものだった

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Jens Kalaene/Getty Images
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ボリュームのある長いまつ毛は、現在でも人気だ。目じりに足すつけまつ毛もあれば、全体的にボリュームを出すつけまつ毛もある。19世紀のつけまつ毛は、もっと危険で、実際には、ちょうどまぶたの先に縫い付けるものだった。

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まつ毛を縫い付ける人は、「まぶたの先端」に針をくぐらせ、目頭から目じりまで長さを変えて糸を残し、まつ毛のように見せた。あ、そうそう。19世紀のことだから、もちろん、麻酔なんてものもなかった。

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X線は元々はムダ毛の脱毛に使われていた

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SSLP/Getty Images
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1895年にX線技術が発見されたとき、その危険な副作用はすぐに明らかになった。最初に実験をしていた科学者らに、すぐに火傷や抜け毛といった症状が出たためだ。こうした技術を敬遠するのではなく、20世紀の女性は積極的にX線を使って、ムダ毛を脱毛した。

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現在、防護服などなしにX線を使用すると、癌のリスクの増加や、放射線量の増加、吐き気、出血、失神などの恐れがあることが分かっている。

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意図的に歯を黒く染める

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@ComedyCake/Twitter
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現在は真珠のように白い歯にしようと我々は努力しているが、何世紀にもわたって、日本とベトナムでは歯を黒くする、つまりお歯黒が慣習として行われていた。様々な薬品を使って歯を艶のある黒に染める一方で、効果的な口腔衛生の役割も持っていた。

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お歯黒は、成年や品位の印であると信じられていた。お歯黒に使われていた薬品は、虫歯予防にはなったかもしれないが、歯茎には深刻なダメージを引き起こし、さらに1度お歯黒をつけると元に戻すことはできなかった。

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首の輪っかを外したときに、命取りになりうる

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Tessa Bunney/Contributor/Getty Images
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首に輪っかを付けるという文化的慣習が、ミャンマーの少数民族であるカヤン女性に引き継がれている。若いうちからクビに金属の輪っかを付けて、首を引き延ばしているという。

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この一連の輪っかは、女性の鎖骨を変形させ、自身の頭の重さを支えられない恐れがあるために危険となりうる。健康上の懸念はよそに、観光客を誘致するという目的もあってか、現在も行われている。

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モスリン地のドレス、肺炎の大流行に繋がる

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Half Entertainment/MovieStillsDB
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18世紀~19世紀の始まりにかけて、一般的な女性の間でモスリンのドレスが大流行した。薄地で軽く、女性らしい曲線を見せながら、それでいて上品に見せてくれる。唯一の問題は、モスリン地が非常に薄地であることから、身を守る役目はほとんど果たしていなかったのだ。

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モスリンのドレスを着用した女性は、感染症にかかりやすく、1803年に大流行した肺炎は、ヨーロッパ中で「モスリン病」とまで呼ばれた。

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中世ではまつ毛を引き抜いていた

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Stanzel/Ullstein Bild/Getty Images
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まつ毛のエクステなどが行われるよりもずっと前、まつ毛は無理やり引き抜かれていた。中世において、額は女性の顔の中でも最も性的魅力のある部分だとされていた。そして、それを際立たせるために、中世の多くの女性は、まつ毛をほとんどすべて引っこ抜いていたのだ。

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まつ毛のないワイルドな見た目だが、かなりの痛みを伴うこと、またきちんと抜かないと出血を伴うリスクがあげられる。強面風にはなれるだろうが、果たしてその価値があるのかどうかについては、はなはだ疑問だ。

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おしゃれ用の歯列矯正ブリッジは、安全でもおしゃれでもない

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Tony Savino/Corbis/Getty Images
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この危険なスタイルは、ごくごく最近に始まった。2009年、タイやインドネシア、中国で、偽物の歯列矯正用ブリッジを着用することが急速に広まったのだ。歯列矯正にはお金がかかるため、ステータスシンボルとして、おしゃれのために見せかけの歯列矯正ブリッジをつけたようだ。

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残念ながら、ステータスシンボルのつもりが裏目に出たらしい。少なくとも、安物のブリッジを着用していた2人の少女が、口腔感染症にかかって死亡している。この死亡事件により、タイ政府は偽物のブリッジを禁止している。

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サナダムシ・ダイエットには、そそられない

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@nilesanimalhops/Twitter
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女性は常に瘦せることについて躍起になる時期があるようで、そのためにサナダムシを摂取しようとするほどだ。こうすることで、寄生虫が腸を住みかにすると信じている。サナダムシが腸に定着すると、体が栄養を吸収する前にサナダムシが栄養分をとってしまう。

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もちろん、寄生虫が手に負えなくなり、死に至ることもある。サナダムシを体外に出す唯一の方法は手術によって、または宿主が死んでしまえば、栄養分を摂取しなくなったその体から這い出てくることだろう。

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ホブルスカート、死に至ることも

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Central Press/Getty Images
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1910年代の初めに、ホブルスカートがおしゃれだと人気を博した。ホブルスカートは、太ももや膝あたりで膨らみを持たせ、足首のあたりで窮屈なほどに裾がしまった形のスカートだ。これを着用する女性は、歩くことが困難であったばかりか、これによって死に至ることもあった。

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一例が1910年のパリの競馬場でのことだ。1頭の馬が脱走し、群衆の方に向かった。みんな蜘蛛の子を散らすように逃げたが、ホブルスカートを着用していた女性だけ、走ることができず、踏み殺されてしまったのだ。

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色白肌に見せるための瀉血(しゃけつ)は極端な例だが…

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Vladimir Gerdo/TASS/Getty Images
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女性は鉛おしろいを塗り、チョークを食べてまで、白く見せようとしていたことをご紹介した。しかし、中世の女性は、さらに瀉血(しゃけつ)まで行っていた。血液を外部に排出させてまでして、肌を青白く見せようとしていたのだ。

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とは言え、当時、瀉血は一般的に行われており、多くの病気を治癒することができると信じられていた。しかしながら、色白に見せるために自身で瀉血するのは少し行きすぎのような気もする。

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髪粉のついたかつらに虫がはびこる

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@WernerTwetzog/Twitter
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顔を白くして、フワフワなまでにボリュームを出したかつらは、フランス国王ルイ14世の髪が薄くなり始めた頃に人気を博した。ルイ14世は、48名ものかつら製作者を抱え、自らのイメージを守った。そして、それが大量に髪粉のかかったかつらが流行するきっかけとなった。このかつらを維持するのは大変だっただろう。寝るときにも垂直にしておかないと、髪型がぺしゃんこに崩れてしまうからだ。

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さらに、かつらは大きかったために、かつらを着用している人が気づかないうちに、虫やシラミ、小さなネズミまでもが住みついていることもあったようだ。つまり、髪粉をつけたかつらにはたくさんの秘密が隠されていて、それで大きかったのかもしれない。

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瞳孔を拡大するために、有毒性のエキスを点眼

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John S Lander/LightRocket/Getty Images
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16~17世紀に流行った奇妙な美のトレンドと言えば、瞳孔を大きく開かせることだろう。16~17世紀、イタリアの上流階級の女性は、魅力的かつ魅惑的に見せるため、有毒性の植物、ベラドンナを使って瞳孔を大きく見せていた。

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ベラドンナを点眼すると、目の筋肉の受容体を阻害し、瞳孔を拡大させる。しかし長期的な使用は、一時的または永久的な失明に繋がる恐れがある。

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水銀でみんなが狂った帽子屋のように

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Walt Disney Pictures/MovieStillsDB
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「不思議の国のアリス」の登場人物である「狂った帽子屋」は、まったくの作り話というわけではない。18~19世紀当時、イギリスで作られた帽子の裏地にはフェルトが使われており、そのフェルトの製造過程で水銀が使われていた。その帽子をずっとかぶっていることによって、水銀中毒になってしまう恐れがある。

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水銀中毒は、幻覚や精神錯乱の症状を引き起こし、死に至ることもある。「帽子屋のように気が狂っている」という慣用句は、水銀を使って帽子を作っていた職人がそうした症状を見せていたためだ。

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鉛おしろいで抜け落ちた眉毛には、ネズミの毛を

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Universal Images Group/Getty Images
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鉛おしろいを使ったために、肌が荒れてしまうことについては既にご紹介した通りだが、鉛おしろいには髪どころか、眉毛まで抜け落ちてしまうという症状まで引き起こす。そのため女性は眉毛を描く(これは未だにお馴染みだ)などしなければならなかったが、多くの中流階級の女性は、ネズミを捕まえ、その皮をはぐという手段をとっていた。

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ネズミの小さな皮を糊で眉毛のように貼り付けていた。もはや、マイクロブレーディング(皮下にインクを注入して)で眉を入れるのも悪くはないと思える。

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浮動肋骨は、現代女性のコルセット?

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ビクトリア朝時代にコルセットを装着することで、肋骨にひびが入ったり、骨折したりすることは不運な副作用だったと言える。しかし、現代では、ウエストを細く見せるため、意図的に肋骨を除去する女性もいる。ウエストを細く見せるために下位肋骨の1本を抜く手術などの処置は、厳密に言えば違法だが、それでもなお、手術を希望する女性は後を絶たない。

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インスタグラムのスターで「生きるアニメ」のピクシー・フォックスは、2015年に違法の手術を受けたとされている。

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ラジウムは確かに輝きを出せるが…

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@atomicarchive/Twitter
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第二次世界大戦後、人々はラジウムに夢中になった。核の時代は恐ろしくもあり、ワクワクさせるものでもあった。ラジウムは史上最悪の爆弾を作りだしたものの、歯磨き粉からマニキュア液まで「健康的な輝き」をもたらす日用品に使用されていた。

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もちろん、現在、ラジウムは極めて有毒性が高いことを認識しているが、1950~60年代の異常な流行によって、すでにその被害は明らかになっている。

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意図的に歯をボロボロにすることが、美しいとされた時代

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エリザベス朝時代のイギリスでは、砂糖分の多い甘い食べ物は贅沢品であったために、それが買えるということは富の象徴だった。そしてもちろん、それは、砂糖分のせいで虫歯だらけになってしまうことを意味している。

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下層階級の人々は、自分達も砂糖の入った食べ物を買えるのだと見せたいがために、わざと歯をボロボロにした。さらに下層階級の人々は、日本の慣習のように強い薬品を使って、歯を黒くした。

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アンモニア成分の入った洗顔で、毛穴掃除どころか皮膚をピーリング

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Element Pictures/MovieStillsDB
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17~18世紀、イギリスの女性は使える薬品はすべて使って、美しさに磨きをかけようとしていたようだ。朝に晩に使われてたアンモニアをベースにした洗顔料もその1つだ。この強い薬品を使って、ほくろや傷跡、シミ・そばかすなど、顔にある気になるところをピーリングしていたようだ。

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女性が強い薬品を使って、皮膚をはがしていたということは、常軌を逸していると思われるかもしれないが、当時はこれが大流行していた。

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唇を大きくさせ過ぎ

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現代の美のトレンド、唇をぽっちゃりさせるというのが、2015年に行き過ぎてしまっている。「カイリー・ジェンナー・チャレンジ」はインターネットで大流行し、唇をぽっちゃりさせるために、ショットグラスに口を入れて空気を吸い込む人が続出した。多くの人は有害な副作用に悩まされることにはならなかったが、この方法に挑戦した人々の中には、あざができたり、病院の外来に駆け込む人もいた。

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あるリアリティー番組のスターなどは、唇を大きくさせ過ぎてしまっている。

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スキニージーンズが血流を止めることも

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2000年代の初めに、スキニージーンズが流行し、このトレンドはまだ続いているようだ。しかしながら、この流行には危険も伴う。スキニージーンズを着用していたものの、きつ過ぎて血流が遮断され、ジーンズを切ってしまわなければならなくなった人のケースも報告されている。

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つまり、超スキニージーンズを履くことによって動脈が圧迫され、血圧が高くなってしまうのだ。

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精巧なスカーフ、命がその代償に

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イサドラ・ダンカンはスカーフが大好きで、長くてしなやかなスカーフのコレクションを誇っていた。しかし1927年のある晩、ダンカンがお気に入りのスカーフを巻いていたことが原因となり、死に至っている。

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それはダンカンがオープンカーに乗っていたときのこと。彼女が巻いていた長いスカーフが、車の後輪に巻き込まれたのだ。スカーフを首にきつく巻いていたため、車に巻き込まれた後にはさらにきつく締まってしまった。結局のところ、ダンカンの首は折れ、頭部が切断されてしまうほどだったという。

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チョーピンは歩くための靴ではない

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16世紀、高貴な生まれの女性はこぞって厚底靴のチョーピンに夢中になった。たいていの場合、チョーピンと言えば、木やコルクからできた厚底靴に、皮革や錦織、または宝石が埋め込まれたビロードが巻かれていた。こうした靴の何がそんなに特別なのかと思うかもしれないが、チョーピンは社会的ステータスの表れなのだ。チョーピンの底が厚ければ厚いほど、裕福だということを意味する。

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言うまでもないが、チョーピンを履いて立つと、とても不安定だ。チョーピンを履いて出かけるのに、お付きの者が必要だった女性もいるほどだ。この靴のせいで足首を痛めた人が、果たして何人いたことだろう。

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高いヒール

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信じられないような話だが、ハイヒールは男性のファッションとして流行した。1673年、国王ルイ14世が真っ赤なハイヒールのついた靴を履いたそうだ。また、ペルシャの兵士らも馬に乗るときに、あぶみに足を固定させるために履いていたという。

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今日、ハイヒールは女性のファッションに欠かせない。ハイヒールが危険だと思う人は少ないかもしれないが、ハイヒールを履き続けることで、足の骨や神経、関節、腱を永久的に傷める恐れがある。

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18世紀の女性が好んで身につけた、危険なファッション、パニエ

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「パニエ」は「鳥かご」を意味するフランス語に由来している。パニエを着用した18世紀の女性がまるで鳥かごのように見えることから、そう呼ばれるようになった。生地を何層にも重ねた下に、パニエを着用することで、ドレスやスカートを腰からまっすぐ横に膨らませる。

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パニエには色々なサイズがあるが、大きなものは特別なときのためにとっておいたようだ。素材には、たいていの場合、木や金属、クジラのヒゲなどが使われていたが、他のバカバカしい流行同様、社会的なステータスを反映していた。着心地の悪さは言うまでもないが、パニエを着用した女性は動きをかなり制限されるため、危険なファッションだと言えよう。

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クラクフは無意味で危険な靴

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クラクフ(とんがり靴)は、14世紀後半にヨーロッパ中の男性に広く流行ったつま先の長い靴だ。その人気は、中世のナイキ(Nike)のようだと言われている。ポーランドの都市クラクフにちなんでつけられた名前だが、およそ15~61cmの長さで、その長さで社会的ステータスが一目瞭然だった。約60cmもの長さの靴を履いて歩くことなど、想像できるだろうか。

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たいていの場合、つま先から膝まで鎖をつけることによって歩きやすくしていたが、それでも危険なのはお分かりだろう。保守的な人や教会の指導者らは、クラクフを「悪魔の指」と呼び、それがばかげており、無意味なだけでなく、危険だと考えていた。その気持ちは、よく分かる。

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綿ネル、大人気の生地

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18世紀、寝具や枕、肌着やパジャマに、綿ネルという生地がよく使われた。植物から取られた繊維で作られているため、廉価で柔らかく着心地は良かったが、非常に燃えやすい素材でもあった。

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実際、着用者が気をつけないと、摩擦によって燃えてしまう恐れもある。綿ネルは寝具や枕にも使われていたことから、寝るときだって慎重にならなければならなかった。

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可燃素材で作られた襟

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セルロイドは、男性の襟や袖口によく使われ、のりをきかせることでパリっと清潔に見せることができた。ただ1つ気を付けなければならないのは、セルロイドが非常に燃えやすいということだ。着やすい衣服であるはずだったが、実際には、着用していると発火する恐れがあった。

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1897年、10歳の少年が着用していたセルロイドの襟が発火した。ボタンを失くしていたために、糸を使ってシャツを閉じて着用していたがために、すぐにシャツを脱ぐことができず、結果、その少年は首や顔に大火傷をした。

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長いトレーンは病気を運ぶ

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長い間、女性は足を隠すために長いガウンを着用しなければならなかった。その「恥ずべき」体の一部を見られないようにするため、女性は特に長いトレーン(ガウンの後ろに長く引きずる部分)を付けていた。このトレーンは地面(舗装されていないことが多かった)を引きずるため、多くのばい菌を運ぶ結果となった。

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当時、コレラや赤痢が深刻な脅威だったことを考慮しても、このばい菌でいっぱいのトレーンも人が病気にかかる原因の一端を担っていたことだろう。悲しいかな、トレーンを洗う役目だったメイドが一番その脅威にさらされていた。

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人工シルクは製造に関わる作業員に危険

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1900年代に初めてビスコースが製造され、レーヨン(人造絹糸)と呼ばれたこの生地は、美しく、安価に製造できるものだった。唯一の問題は、非常に有害だとされている二硫化炭素を使用しなければならないことだと考えられていた。

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1日中ビスコースの製造に関わる作業員らは、幻覚、めまい、頭痛に悩まされることが多く、後にはうつ病やパーキンソン病を発症している。現在、ビスコースは広く用いられ、綿やポリエステルにかわる、持続可能な代替素材であるとうたわれている。

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ブリオートで動きが制限される

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ブリオート、またはブライオーとは、古フランス語やドイツ語で、現代で言う「ブラウス」を意味している。12世紀にヨーロッパの男性や女性が着用していたが、最も顕著な特徴としては、非常に長い袖にある。印象的に見せてくれるファッションかもしれないが、着用すると動きがかなり制限される。

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多くのブリオートは羊毛で作られていたが、絹が使われることもあった。正確にはどこが発祥地なのか分からないが、歴史学者らは、これが十字軍の際にヨーロッパ中に伝わったと考えている。