問題行動を起こして追放されたスポーツ選手＆コーチ
スポーツ史のなかで、問題行動を起こし、自分のキャリアを台無しにしてしまうスポーツ選手やコーチというのは、常に存在するものです。ズルをしたり、自分の人生をギャンブルに賭けたり。彼らの行動が連盟の信念にそぐわないということもあります。これからご紹介するように、スポーツとスキャンダルの関係は、1800年代からかなり根深く起き続けています。そして、こういったスポーツ選手は、常に自身の行動の代償を支払ってきました。あなたもピート・ローズがクーパーズタウンでプレーできなかった本当の理由を知ったら、きっと驚くはずです。
攻撃的な態度が原因で、アイススケート界を去らざるを得なくなったトーニャ・ハーディング
トーニャ・ハーディングは、チームメイトのナンシー・ケリガンへの暴力への関与を認め、1994年の全米フィギュアスケート選手権直前に、米国フィギュアスケート連盟を去りました。実行犯の起訴を妨げようとした罪を認めて、懲役刑は免れています。
暴力に関与した罰として、500時間の奉仕活動、3年間の執行猶予を受けます。さらに、罰金16万ドルを支払うこととなりました。さらに、米国フィギュアスケート連盟は、ハーディングから1994年のスケート選手権のタイトルを剥奪。これに加え連盟は、彼女がコーチとして活動することを禁止しました。次は、ジョー・ジャクソンは本当に追放されるべきだったのか見ていきましょう。
疑問が残るジョー・ジャクソンの追放
1919年、シカゴのホワイトソックスは、ワールドシリーズを棒にふるったとして、「裸足の」ジョー・ジャクソンを含める8名を追放。問題となったのは、ワールドシリーズ中のジャクソンには、エラーが一つもなかったということです。打率はほぼ.400に到達していました。
報道によれば、殿堂入りされると思われていたジャクソンは、何度も買収されることを拒んでいたようです。他の追放された7人の「ブラックソックス」達は、ジャクソンはこれらの会合の場にはいなかったと認めています。2015年の嘆願では、MLBコミッショナーのロブ・マンフレッドに、ジャクソンを復位させるように要請しました。マンフレッドは、この要求を退け、95歳の元野球選手への処分を覆すのに十分な証拠がないと発言しています。
ビリー・クチューは永久追放を受けた唯一のNHLプレーヤー
ビリー・クチューは、レフリーに暴力を加えて、1927年にNHLから永久追放を受けました。事件は、1927年のスタンレーカップ決勝中に起こります。クチューのコーチ、アート・ロスが、クチューに乱闘を起こすようけしかけたのです。 自分のコーチを喜ばせたくて、クチューはレフリーのひとりに暴力を振るい、もう一人にタックルをお見舞いしました。
NHLは、厳しい対応を見せ、史上初、かつ唯一の永久追放をつきつきけました。ところが、追放は1929年に解除されます。残りのキャリアを、マイナープロリーグでプレーして過ごしたクチュー。1932年に、正式にNHLに復帰しましたが、その後大きな試合に出ることはありませんでした。次は、ピート・ローズの自分の地位が危険にさらされるまで、話すことを拒んだ真実についてです。
自身の遺産をギャンブルに賭けてしまったピート・ローズ
MLBから引退して3年後、ピート・ローズは野球賭博で永久追放されます。当時の報道によれば、ローズは1987年にレッズの52試合で賭けをし、各ゲームで最高10,000ドルをかけていました。レッズの歴代最高選手のひとりであるローズは、この罪を否定して、MLBを起訴します。
調査が始まってから5か月後、ローズはMLBの不適格リストに加えられました。それでも、本人は間違ったことはしていないと否定。2004年の自伝、『My Prison Without Bars』で初めてギャンブルしたことを認めました。
自分のエージェントを殺そうとしたマイク・ダントン
マイク・ダントンは、NHLで1シーズンのみプレーしたのち、2004年に自身のエージェントを殺害しようとしたとして逮捕されました。NHLは、公式にダントンを追放してはいませんが、7年も刑務所にいたため、もう一度ホッケーをプレー出来る可能性は絶望的でした。
セントルイス・ブルースがプレイオフへの進出を逃した直後、ノーマン・Y・ミネタ・サンノゼ国際空港にて逮捕されたダントン。自分のエージェントを殺すようにヒットマンを雇った罪を認めました。裁判では、裁判官が次のように話しています。「18年以上法廷に出ていますが、これほど変わったケースに出くわしたことはない。」2009年、ダントンは保釈され、最終的にスウェーデンのプロホッケーチームと契約を交わし、キャリアを続行させています。
コリン・キャパニックを取り囲む議論
コリン・キャパニックが、NFLでプレーすべきかそうでないかは意見が分かれるところかとは思いますが、彼をフィールドから遠ざけられない理由が、身体的な能力だけではないことは、否定しがたいのではないでしょうか。サンフランシスコ・フォーティナイナーズの最終シーズンにて、キャパニックは16のタッチダウンをとり、取られたインターセプトはたった4つ。 さらに、国歌を流している間、ひざまずいて祈りをささげていました。
キャパニックが、早期契約終了の選択をしたあとのシーズンでは、サンフランシスコ・フォーティナイナーズは2-14に。同チームは、キャパニックが早期契約終了を選ばなければ、彼をチームから追い出そうとしていたそうです。それ以降、彼と契約を交わしたチームはありません。現在、元チームメイトのエリック・リードと結託して、NFLを訴えています。次は、同時にエルサルバドルの14人のスポーツが追放された理由をご紹介します。
賄賂を受け取って追放された、エルサルバドルの14人のプレーヤー
2013年、エルサルバドルのサッカーチームは、メキシコに5-0、パラグアイに4-2で惨敗。試合後、これらの試合に負けるように買収されたとして、14人のエルサルバドルの選手が追放されました。メジャーリーグサッカーで有名だった、ラモン・サンチェスやクリスチャン・カスティーロなども含まれています。
八百長は、数年前から行われており、2001年のアメリカの勝利もその一部。FIFAによる追放で、これらの選手のキャリアは終わりを告げました。FIFAは、サッカー界をまとめる団体です。ここから永久追放を受けたプレーヤーは、いかなるレベルのサッカー活動も禁止されています。
追放を受け入れる代わりに引退したマニー・ラミレス
ステロイドの使用検査で、2度目の陽性反応を出して、MLBより100試合への出場停止を通告されたマニー・ラミレス。出場停止を受け入れる代わりに、ラミレスは引退を選びました。ラミレスは、キャリアの中で持ち前のパワーと身体能力で観客を魅了しています。ドジャースに移籍した際には、「マニーウッド」の愛称で親しまれました。
ラミレスは、出場停止日数を減らされたあと、その年の終盤に、MLBへの復帰を試みます。ステロイドの使用はなかったのですが、年齢的なものもあり、かつての活躍を見せることは2度とありませんでした。一時期、殿堂入り確実とされていたラミレスと、同じくらい「クロ」という理由で、次にご紹介するバリー・ボンズも同レベルと言えるでしょう。
「アスタリスク」で体裁がよくないバリー・ボンズ
正式な追放を受けずに、事実上の追放となったバリー・ボンズは、最大のペテン師だとされています。キャリアの後期で、ステロイドの使用を非難されたボンドは、2007年、偽証と公務執行妨害罪で、除名されました。そしてその4年後、有罪判決が下されます。しかし、2015年、判決は覆されました。
出場停止になったわけではなく容疑を晴らしたのであれば、なぜバリー・ボンズがこのリストに追加されているのかと疑問に思うかもしれません。答えは、「アスタリスク」です。おそらくズルをして得た実績のため、彼の記録である756本目のホームランは、 参考記録を示す「*」マークで分類されています。また、殿堂入りも果たせていません。
ステロイドの使用で、監獄行きとなったマリオン・ジョーンズ
自身の陸上競技のキャリアの中で、ステロイドを使用したとして、マリオン・ジョーンズは服役しています。メダルを5つ獲得した、2000年のシドニーオリンピックの7年後、ジョーンズはバリー・ボンズと同じステロイドスキャンダルに巻き込まれます。ボンドと違い、彼女はステロイドの使用を認めました。
オリンピック委員会は、彼女の5つのメダルをはく奪。そのうちの3つが金メダルでした。過去に能力向上薬物を使用していないと証言していたため、ジョーンズは偽証罪の罪で起訴されます。判事は、6ヶ月の収監を命じました。それ以降、陸上界には戻ってきていません。
キャリア全体で薬物を使用し、すべての勝利をはく奪されたランス・アームストロング
2012年にサイクリング界から追放され、7つのツール・ド・フランスのタイトルを剥奪されたランス・アームストロング。 徹底的な調査の結果、彼はキャリアの中で、常に能力向上薬物を使用していたと結論付けられました。
2013年、アームストロングは、自身に対する申し立ての一部が事実であることを認めます。さらに、「これが1995年だったら、おそらくまた(薬物を)やると思う」とも発言。2015年、CNNでは、アームストロングの栄光からの転落は「歴史上類を見ない」と報道しています。もっとも最近の話で言えば、ドラッグの使用に関して虚偽の発言をして、アメリカ合衆国郵便公社の利用規約を破った罪の件で、アメリカ合衆国司法省と示談を交わしました。
ステロイドの使用で、ギリギリ永久追放を免れたジャスティン・ガトリン
2006年、ステロイドの検査で陽性反応を示して、8年間の出場停止を食らったジャスティン・ガトリン。この事件の前、ガトリンは陸上競技に置いて、2004年の夏のオリンピックで金メダルを獲得しています。皮肉にも、このメダルは2001年の薬物テストで陽性反応を示して2年間の出場停止になった後に手にしたメダルでした。
出場停止期間を短くするよう訴えかけ、2010年に戻ってきたガトリン。世界中のファンからの軽蔑を受けていたものの、金メダルの獲得数を増やしていきました。2017年の世界陸上競技選手権大会では、ガトリンがウサイン・ボルトを破り、金メダルを獲得しました。その際は、ブーイングの声があがっています。次は、ランス・アームストロングに対する密告を行い、その犠牲を支払う羽目になったフロイド・ランディス。
告発して、その代償を払ったフロイド・ランディス
ステロイドの使用でアームストロングを非難し、サイクリング界からの事実上の永久追放を受けた、フロイド・ランディス。アームストロングに「待った」をかけたランディスは、2年間の出場停止から復帰したばかりでした。
2006年、ランディスは、ツール・ド・フランス後の、ステロイド検査テストで2度にわたり陽性反応となり、2年間の出場停止を受けます。2009年にユナイテッド・ヘルスケアのチームに戻ってきてから1年後、自身のステロイド使用を告白し、同時にランス・アームストロングを告発。チームは崩壊して、ランディスが新しいスポンサーを得ることは、絶望的となりました。2011年に引退するまで、ソロライダーとして完走したのは、その後1レースのみです。
刑務所に行っても自分のキャリアが終わってしまうことを拒否したブルーノ・フェルナンデス・ダス・ドリス・ジ・ソウザ
2010年に恋人が失踪した際、ACミランへの移籍が決まっていたブルーノ・フェルナンデス・ダス・ドリス・ジ・ソウザ。ブルーノは逮捕され、恋人殺害の容疑で6年間服役。しかし、長い控訴プロセスの後、釈放されます。その後、すぐさまボアECと契約。
新しいチームとのインタビューで、ブルーノは次のように話しています。「起こったことはどうしようもない。俺はミスを犯したんだ。深刻なミスを。でも、人生にミスは付き物だろ？俺は悪い人間じゃないよ。」しかし、ブラジルの最高裁判所が再逮捕を言い渡して、彼のキャリアは再び座礁します。 ブルーノの弁護団が故意に、控訴プロセスを遅らせたことが発覚し、2017年に彼は再び収監されました。
彼女に暴力をふるいキャリアを終わらせたレイ・ライス
彼自身にとってNFLでの最悪の年となった2014年、レイ・ライスは、ラスベガスで交際相手に暴力を振るっている姿をカメラに捉えられて、悪化します。DVの報道が出てから、ライスは2試合の出場停止を受けました。DV現場の動画が公開されると、ボルチモア・レイブンズはライスを解雇。
ギリギリのところで、5年間の実刑判決を免れたライスは、彼女と結婚して、裁判所監督のカウンセリングを受けることに同意します。2016年には、チームが自分と契約を交わしてくれれば、全報酬をDV関連のチャリティーに寄付すると約束。しかし、事件後のプレー実績はありません。次は、史上最高に厳しい罰をベイラー大に突き付けた全米大学体育協会。
殺人でベイラー大学に厳しい処分を下した全米大学体育協会
ベイラー大学の、バスケットボール選手であるチャールトン・ドットソンが、チームメイトのパトリック・デネイーを殺害し、同大学は最悪の大学スポーツスキャンダルに巻き込まれます。このケースでは、全米大学体育協会は、ベイラー大学のプログラムそのものを調査せざるを得ませんでした。それによって、選手勧誘に関する違反や違法な選手への支払いが明るみになります。
最も厳しい罰は、コーチであるデイブ・ブリスに課されました。10年間の「理由呈示罰則」を受けたブリス。このルールは、ブリスを雇ったいかなるプログラムも、6ヶ月ごとに彼の動向に関する報告を行わなくてはいけないというものです。2010年、テキサスのアレン・アカデミーに雇用されたブリス。それから間もなくして、書類を偽造したとして解雇されています。
ボストンマラソンで勝つために、地下鉄を利用したことを否定したロージー・ルイーズ
ロージー・ルイーズは、1980年のボストンマラソンを2時間30分でゴールするために地下鉄を利用しました。1位でゴールして、本人は今でも無罪を主張しています。しかし、実際にはズルをしたという証拠がごまんと存在するのです。まず、監視役がレース中に先頭集団で走るルイーズの姿を確認出来ていません。
観客もこれに関してコメントしており、ルイーズが地下鉄を降りるところを見たと主張しています。調査員はルイーズをレースから失格として、金メダルはジャクリーヌ・ガローの手に渡りました。さらに、再び地下鉄から降りるところを観客に目撃されたルイーズは、ニューヨークマラソンでも失格となります。
記録を更新するも永久追放されたベン・ジョンソン
1988年の夏のオリンピックで、100メートル走の記録を破ったベン・ジョンソン。彼のタイムは9.79秒で、観衆を驚かせました。1日後、薬物検査で陽性反応となり、メダルをはく奪されます。 1993年、再び薬物検査で陽性となり、永久追放を受けました。
この恥ずべき事件を受けて、カナダはジョンソンと彼のコーチを調査せざるを得なくなります。大きな陸上界のスキャンダルを暴いた、ダブリン・コミッション。悲しいことですが、オリンピック委員会は、問題が広がり一般人からのネガティブな反応を恐れるようになった1999年になるまで、対ドーピング委員会の設置を拒みました。
暴力を促進したとして重い代償を払ったグレッグ・ウイリアムズ
NFLは、ニューオーリンズ・セインツの選手に金を支払い、相手チームの選手に怪我をさせようとしたとして、グレッグ・ウイリアムズを、無期限の出場停止にします。ジョナサン・ヴィルマを含む数名の選手が、ウイリアムズと共に出場停止になりました。ヴィルマは、金目当てでウイリアムズの指示に従ったとして、16試合の出場停止を受けています。
2012年に、宣誓供述書に署名したウイリアムズは、金で暴力を振るう計画を支持したことを認めています。彼がサンフランシスコ・フォーティナイナーズの数名の選手に、怪我を負わせるよう指示するテープが流出して、決定的なものとなりました。責任をとりたいというウイリアムズの願いを聞き入れ、1シーズン後にNFLは彼の復帰を許しています。
試合も、自分のキャリアも、台無しにしたジョージ・ベクテル
ジョージ・ベクテルは、ズルをして自分自身のキャリアを棒にふるったことで、有名な初期のスポーツ選手です。1800年代、野球をプレーすることはお金になりませんでした。そのため、ベクテルはお金を稼ぐためにわざと負けていたのです。1876年、ジム・デヴリンに送ったメッセージが明るみに出てバレてしまったベクテル。メッセージの内容はこんなものでした。「今日試合に負けたら、500ドル稼げる。ジョン(マネージャー)に話して、すぐに俺に連絡しろ。ベクテル」
お金のために負けることを拒んだデヴリンが、手紙のことを上層部に報告。ルイビル・グレイズはすぐさまベクテルを出場停止にします。次のシーズン、彼は復帰を拒まれ、そのままプレーすることはありませんでした。
野球界から追放された唯一の審判、ディック・ハイアム
審判になる前は、9年間プロ野球選手として活躍していたディック・ハイアム。1871年に、ニューヨーク・ミューチュアルズでデビューしています。選手生活を終えると、審判として2年間従事しました。
審判としてのキャリアの中で、自分の望むように、ゲームを進めようとしているという、うわさが飛び交いました。デトロイト・ウルバリンズのオーナーである、ウィリアム・G・トンプソンが疑いを抱き、問題を調査するために私立探偵を雇います。そこで、有名なギャンブラーとハイアムが共謀していることが発覚。2人は、簡単なコードを作って、電報で送り合っていました。「出来るだけ多くの材木を買え」というのは、ギャンブラーがデトロイトに賭けるべきであるというメッセージです。一方、電報がない場合は、相手チームに賭けることを意味します。ハイアムは解雇され、野球界から追放されました。
ステロイドをやめられなかったタミー・トーマス
複数回にわたって能力向上薬物を使用したとして捕まった、タミー・トーマス。これにより、最終的に、サイクリングから永久追放されました。サイクリング界のスターは、2000年のオリンピック出場選手の有力候補でしたが、尿検査でステロイドの陽性反応が出て、オリンピックに出場することはできませんでした。
タミーにとってはラッキーなことに、この時は1年間の出場停止で済みました。しかし、2002年に復帰した際には、尿検査でアナボリックステロイドに陽性反応という結果に。ステロイドの使用に関連した連邦調査の対象となり、その後すぐに永久追放となりました。
キャスター・セメンヤのジェンダーを疑問視して、不公平だと主張した国際陸上競技連盟
キャスター・セメンヤは、アフリカの中距離ランナーであり、2016年のオリンピックで金メダルを持ち帰りました。しかし、2009年より、彼女の身体能力はかなり詳細に精査されてきています。セメンヤは、男性らしい見た目で馬鹿にされ、多くの人はステロイドの使用を疑いました。結果、女性と認められるのに正常なテストステロン値であるかどうかを決めるためのテストを受けさせられました。
セメンヤの医療記録は流出し、通常の女性の3倍のテストステロン量があることが発覚。「彼女は半陰陽者なのではないか」と疑う人達が現れました。 このプロセスの中で、彼女は8ヶ月の出場停止になります。最終的に、国際陸上競技連盟は、セメンヤはアンドロゲン過多症の女性であり、不公平であると主張しました。
コカインの常習使用で22年間の実刑を受けたスタンリー・ウィルソン
NFLのシンシナティ・ベンガルズのランニングバックだった、スタンリー・ウィルソン。彼のキャリアは、彼のコカイン使用の習慣によって台無しになりました。キャリアの中で、協会の麻薬ポリシーを破り、1985年と1987年のシーズン全試合出場停止に。
ウィルソンの状況は、悪化していく一方でした。第23回スーパーボウルの前日、ウィルソンのコーチであるジム・アンダーソンが、コカインでハイになっているウィルソンを発見。コーチは、ウィルソンの出場を停止させるほかありませんでした。これは3度目の違反であったため、ウィルソンはNFLから永久追放されます。10年経っても、彼のコカインの常習は止まりませんでした。彼は、コカインを使用し続けるために行った、 13万ドル相当の窃盗の罪に問われます。そして22年の実刑判決を言い渡されました。
やめられないギャンブルの悪習慣でNFLのキャリアを棒にふるったアート・シュリックター
80年代、アート・シュリックターは、ボルチモア・コルツ、バッファロー・ビルズ、オタワ・ラフ・ライダーズなどでプレーし、そのフィールドでの動きが有名になりました。しかし、シュリックターのギャンブル癖は、次第に彼のイメージを傷つけて、最終的にNFLから追放されます。
数十年にも及ぶギャンブル中毒の間、シュリックターは20以上の重罪をおかしています。NFL、ナショナル・アリーナリーグ、ラジオ出演で得た報酬のほとんどをギャンブルにつぎ込み、友人や知らない人からお金を盗んだり、だまし取ったのです。80年代後半、90年代、2000年代にかけて、シュリックターは、何千万ドルの不渡りの罪で複数回逮捕。2019年現在服役中で、2020年の10月に釈放される予定です。
ブロックショットにおいていまだにウルヴァリンズトップのロイ・タープリー
ロイ・タープリーは、将来のキャリアが期待された選手でした。ミシガン大学のスター選手であり、1985年には、最優秀プレーヤーベスト10にも選出されています。その次の年には、ダラス・マーベリックスに選ばれて、初シーズンでNBAオールルーキーチームを授与されました。
タープリーは、次の年に飲酒運転で捕まり、NBAから出場停止を受けます。91年に復帰したものの、再び飲酒運転で逮捕。飲酒癖をコントロールすることが出来ず、3度目の違反を受けたのち、95年に永久追放されました。2014年の時点で、ブロックショットにおいては、今でもタープリーが、ウルヴァリンズの歴代トップです。
試合でわざと負けるように他のプレーヤーを買収していたハル・チェイス
ハル・チェイスは様々なチームで一塁手を務め、このポジションにおいては、最高の野手のひとりとされていました。しかし、選手としてもマネージャーとしても、キャリアの中で様々な悪質な行いを告発されています。元マネージャーのジョージ・ストーリングスは、チェイスが故意に試合中「負ける」よう仕向けていると主張。しかし、スト―リングスはチームから嫌われており、すぐにチェイスが彼のポジションを継ぐことになりました。
次の年に、選手としてフィールドに戻ったチェイスは、ゲームに負けるように他の選手にわいろを渡していると告発されました。ジャイアンツ戦で負けるように、ピッチャーのヒミー・リングに813ドルを渡していたのです。さらに大きなスキャンダルが発覚し、チェイスは、ギャンブラーから8,000ドル以上も受け取っていたことが発覚。最終的に、芳しくない過去が祟って、MLBから追放されました。
八百長を告発されたコニー・ホーキンズ
「鷹」の異名を持つコニー・ホーキンズは、アメリカバスケットボールリーグ、アメリカン・バスケットボール・アソシエーション、NBA、ハーレム・グローブトロッターズ、ハーレム・ウィザードの選手です。バスケをプレーするようにと、彼はアイオワ大学の奨学金を受けました。大学1年の1961年、バスケットボールギャンブルスキャンダルとして知られるようになった八百長事件に関わります。
逮捕はされなかったものの、ホーキンズはアイオワ大学から退学させられ、大学バスケットボールから拒否されました。この措置は、NBAや他のリーグにも有効です。ホーキンズは不当な扱いとしてNBAを訴え勝訴して、最終的にフェニックス・サンズでプレーしました。
闘犬に関わったマイケル・ヴィック
マイケル・ヴィックは、ナショナル・フットボール・リーグでプレーしたプロのクオーターバックです。アトランタ・ファルコンズと、フィラデルフィア・イーグルスを合わせて、合計13シーズンに出場しました。バージニア工科大学を卒業して、2001年のNFLで一巡目指名を受け、将来を期待されていました。しかし、2007年、闘犬リングへの関与の罪を認めて、21カ月間を塀の向こうで過ごします。
一般人やファンは、このニュースを好意的には受け取らず、釈放される前に、アトランタ・ファルコンズから解雇されました。2009年にフィラデルフィア・イーグルスと契約しますが、アメフトコミュニティーから避けられた彼のキャリアは、2度とかつての輝きを取り戻すことはありませんでした。
同時に追放された、ウィリー・メイズとミッキー・マントル
MLBのプロ選手で親しい友人同士であった、ウィリー・メイズとミッキー・マントル。2人は、最強の中堅手かつ総合選手と考えられていました。しかし、1983年、野球選手としてのキャリアを終えた2人は、アトランタのカジノのグリーターの仕事に就きます。
このニュースを受けて、MLBコミッショナーのボウイ・キューンは、ギャンブルとの関連を理由に、2人を野球界全体からの追放扱いにしました。数年後、次のコミッショナーのピーター・ユベロスが、「追放は不当である」として、1985年に2人の追放は、白紙になります。
エディ・シーコット
エディ・シーコットは、ブラックソックス事件に関与した有名なピッチャーです。1910年代、最高のピッチャーのひとりと広く認められていたシーコット。1919年には、29試合で勝利を収め、30試合優勝すれば、契約金を2倍にするという契約を交わします。
当時のホワイトソックスのオーナーは、ボーナスを支払わなくて済むようにと、シーコットをベンチ待機させるように、チームマネージャーに指示。怒ったシーコットは、賄賂を受け取り、シーズンすべての試合をわざと棒にふるいました。シーコットは、この行為が原因で永久追放されています。
麻薬を2度使用し、つかまったデクスター・マンリー
「国防長官」のニックネームで知られるデクスター・マンリーは、元アメフトのディフェンス選手です。11年に及ぶキャリアの中で、ワシントン・レッドスキンズ、アリゾナ・カージナルス、タンパベイ・バッカニアーズに所属しました。
マンリーは、キャリアの中でコカイン使用問題を抱えていました。1989年に3度目のテストでの陽性反応結果が出た時、アメフト界から追放されます。マンリーは、訴訟を行って復帰したものの、1991年に再び麻薬検査に引っかかり、永久追放となりました。
能力向上薬物をやめられなかったヘンリー・メヒア
ヘンリー・メヒアは、ドミニカ共和国出身のプロ野球選手。国際的なフリーエージェントのため、2007年にMLBのニューヨーク・メッツと契約して、2010年にMLBデビューを果たしました。しかし、2015年に能力向上薬物のテストで陽性反応という結果を出して、出場停止になります。
その年の後半、再びテストで陽性反応を出し、2016年には3度目の陽性反応。これによって、メヒアはMLBから永久追放されました。メヒアは、ステロイド使用による出場停止ポリシーが施行されてから、永久追放された初めての選手です。
スキャンダルの犠牲を払うことになったジャック・モリナス
1試合でのポイント数で、チームの記録を更新して、コロンビア大学を卒業したジャック・モリナス。その後、ドラフトに参加し、1953～1954年の短期間、NBAでプレーします。しかし、のちに、モナリスが過去最大のバスケットボール八百長スキャンダルに関わっていたことが発覚。
スキャンダルが起こったのは1951年ではあったものの、その影響を受けたのは、1954年になってからでした。モナリスはリーグから永久追放を受けて、未払いの借金に関わると思われる理由で、20年後に射殺されました。
他の選手を襲ったマーティ・マクソーリ
マーティ・マクソーリは、1983年から2000年までナショナルホッケーリーグでプレー。2002年～2004年には、アメリカのスプリングフィールド・ファルコンズでの、ヘッドコーチも務めました。しかし、2000年、氷上でドナルド・ブラシアーをスティックで殴り、脳震盪を起させます。
マクソーリは、暴行の罪を問われ、一年間の出場停止に。出場停止を受け入れるのではなく、NHLを去ったマクソーリ。正確に言えば追放ではないですが、彼にとっては追放同然だったようです。
共謀の罪を問われたロジャー・ブラウン
ロジャー・ブラウンは、ジョージ・ウィンゲート高校のスターであり、1960年にデイトン大学でプレーする契約を交わしていました。しかし、ジャック・モリナスと共に、違法な八百長に関わっていたとして、全米大学体育協会とNBAから追放されます。
しかし、彼は実際の八百長の罪を問われたことはなく、ジャック・モリナスとの関わりで告発されました。これだけで、十分な判断材料だとされたようです。NBAがブラウンを復帰させる頃には、すでに彼はプレーできる年齢ではなくなっていました。
金メダリストからヘロインディーラーへ転落したティム・モンゴメリ
ティム・モンゴメリは、100メートル走を専門とする、元陸上選手です。2005年、すべてのメダル、世界記録をはく奪され、陸上界から追放されます。能力向上薬物を使用していたことで有罪となり、またバルコ・スキャンダルにおいて鍵となる役割を担っていたのです。
陸上業界から追放された後、モンゴメリはニューヨークでの小切手詐欺とバージニア州でのヘロイン売買で起訴されます。ヘロインを売るよりも、陸上競技で頑張ったほうが良かったみたいですね。
マイケル・レイ・リチャードソンは、NBA選手からカナダでコーチに
マイケル・レイ・リチャードソンは、NBAのプロバスケットボール選手でした。ニューヨーク・ニックスとブルックリン・ネッツで、8年間プレーしています。しかし、1986年、ドラッグとアルコールの問題が原因で、リチャードソンは永久追放を受けます。
3度目の薬物テストの陽性反応で1986年に追放され、1988年に復帰。しかし、再び1991年にテストが陽性反応となり、永久追放されました。その後、カナダのバスケットボール・リーグでコーチをしています。
生涯無実を主張し続けたバック・ウィーヴァー
バック・ウィーヴァーも、ブラックソックス事件で罪を問われた8名のプロ野球選手のひとり。彼はワールドシリーズの試合で、金銭を受け取ったことを否定しています。これを自身のチームメイトや関わったギャンブラーたちがこの証言を裏付けています。
彼は参加自体はしなかったものの、この計画を事前に知っていたとして非難されました。この計画を阻止するために、バック・ウィーヴァーが、いつも以上に必死にプレーしたことも知られています。それにもかかわらず、コミッショナーのマウンテン・ランディスは、プロ野球界からウィーヴァ―を追放しました。
3年で追放されたクリス・ウォッシュバーン
ノースカロライナ大学でプレーしたのち、1986年のNBAドラフトで、ゴールデンステート・ウォリアーズの3巡目指名を受けた、クリス・ウォッシュバーン。残念ながら、ひざの腱炎により、抗炎症薬の使用することになり、腎臓の感染症になります。
後に、コカイン中毒で、リハビリセンターに入居していたことを認めているウィッシュバーン。3年連続で麻薬検査に引っかかり、1989年、NBAから永久追放を受けました。その後、海外の様々な国でプレーしています。
