軽量コンクリートブロックで私道をブロックされた高齢男性、それをした隣人に高い授業料をもって教訓を教える
隣人というのは自宅が居心地良い場所になるか否かを左右する。気さくなタイプの隣人なら安心できる一方で、好ましくないタイプなら時として人生を狂わされることになる。隣人にどうすることもできないので、引っ越そうとする人もいる。フロリダ州に住む男性が隣人の思いがけない行動により経験した話をご紹介しよう。
かつては閑静な住宅街だった
フロリダ州オセオラの一区画にある男が移り住んできたとき、近隣の住民は特に何も思わなかった。しかしながら、彼の行動が高齢のオリバー・リンチの生活に深刻な影響を与えるまでに、そう時間はかからなかった。
リンチと同様、近隣の住民や同じ地域に住む人々の誰もが、リンチの敷地内で起こったことにショックを隠し切れなかった。そこで、リンチは自分自身と所有する土地を守るため、何とかしようと決心した。
言いなりにはならない
オリバー・リンチは79歳で、オセオラの住人だ。彼は同じ地域に25年近く住んでおり、住環境をとても気に入っていた。
彼はモラルのある分別をわきまえた男ではあるが、理由もなく他人の言いなりになったりするようなタイプではない。やはり、誰しも我慢の限界というものがある。そして次に何が起こったのか。それを知れば、リンチがただの意気地のない老人ではないということを証明できるだろう。
自分自身のために立ち上がった
この地域に住む高齢のリンチは、自分のやり方で物事を片付けたいなら、自分自身が戦うしかないと分かっていた。リンチはみんながみんな、老人の窮状を気にかけているわけではないことに気づいており、リンチは自身に払われるべき敬意のために声を上げなければならなかった。
あるインタビューで、リンチは「私はただ虐められるのが許せないだけだ」と論点を明らかにした。リンチは許せないだけでなく、そのために行動を起こすのだった。
新しい隣人
また、リンチは「まだ私は立ち向かえるし、威圧的な態度を取られるのが許せない」と言った。彼の世代ともなると、誰しも対立を避けて、なんとか平和に暮らそうとしがちだということを考えると、これは素晴らしい発言だ。
ある日、リンチは新しく来た隣人が空いている区画を利用して新しい家を建てようとしていることに気づいた。
すべてが変わった日
最初はすべて問題ないように思えたが、ある日リンチは家に帰って嫌な予感がした。この日、リンチは自宅の私道の真ん中に長く1列に軽量コンクリートブロックが並んでいるのを発見した。
はじめはあまり気にしていなかったリンチだが、隣人がリンチの私道は彼の所有地の一部だと言ってきたので状況が一変した。リンチにしてみれば、それは自分の私道だし、返してもらいたいのだった。
状況はさらに悪化
残念ながら、状況はリンチがはじめに思っていたよりもずっと悪かった。新しい隣人はついには軽量コンクリートブロックを私道にセメントでくっ付け、リンチが動かしたくても動かせないようにしたのだった。
無理にブロックを動かそうとすれば、私道自体を傷めることになる。自分ひとりでは軽量コンクリートブロックを動かすことができないので、リンチは問題を解決するためには隣人の目の前で強硬策に出なければならないと考えた。
何が起こっているのか分からなかった
何度も自分の目で確認したが、リンチはこの自分が巻き込まれている状況に完全に途方に暮れていた。この地域で、しかも自分が、こんなことにまきこまれているだなんて、何かがおかしい。
驚いただけでなく、隣人の受動的攻撃性に段々と怒りが湧いてきた。「たった数メートルのコンクリートが増えたところで、この隣人は一体何をする気なんだ?」彼は信じられない思いでひとり考え込んていた。
証拠を探せ
私道にくっ付けられた軽量コンクリートブロックがある以上、すぐにこの状況を打開することができないのは明らかだった。
土地を取り戻すために、リンチは隣人が横取りしようとしている土地は正当に自分のものである事を証明するため登記簿を探さねばならなかった。ようやく12フィートの私道2本の所有権が示された登記簿が見つかった。
隣人の人格に疑問を呈す
そして何より、リンチは隣人がだんだんと善人ぶっている気がした。「彼は牧師か何か『敬虔』な男だった。でもそれをクリスチャンらしいとは思えなかった」と言った。
リンチは教会で働く人間が、こんな野蛮なことを、しかも自分の隣人に対して行ったことが信じられなかった。こんなことをするのは、自分は少し他人よりも優れている人間、神の子だと思っているに違いないと感じていた。
選択肢がなくなってくる
状況が悪化するにつれ、リンチは隣人に対してとれる選択肢が狭まってきている気がした。そこでリンチはもう一度オセオラ郡に対して行政が助けてくれないか問い合わせた。
しかしながら内心、どう転んでも私道のコンクリートブロックのことで隣人に掛け合うのは簡単なことではない気がしていた。
マスコミに連絡
完全に行き詰ったリンチは、地元のマスコミに連絡を取った。幸運にもマスコミはリンチと隣人の間で進行中の揉め事を報道することに同意した。
リンチを助けるため、マスコミは隣人と連絡を取ろうとさえしてくれた。残念ながら隣人は電話にもメッセージにも応対することはなく、失敗に終わった。
報道
ご想像の通り、この話が報道されると、リンチに対してとられた行動は世間に知れ渡り、隣人はかなりの悪党のように扱われた。世間の多くはリンチを気の毒に思い、不正を働く隣人を非難した。
リンチと同様、世間も信心深いはずの隣人の悪巧みに困惑した。これは隣人にとってとても恥ずかしいことに違いなかった。
酷い隣人に
みんな、隣人のやっていることは不公平で無礼だということで意見を一致させたものの、その隣人が隣近所すべてのコミュニティに与える印象について懸念する声もあった。
普通なら地域に溶け込み、近所の人々と仲良くなりたいと思うはずなのに、なぜそんな酷いことをするのか理解ができなかったのだ。そして未だ、誰もなぜ隣人が最初にそんなことを始めたのか分からなかった。
再度、マスコミに連絡
リンチは世間の大半をその明らかな理由で味方につけていたが、隣人は動かなかった。それどころか、隣人はますます土地のことで頑固になり、老人の苦情も地域住民の訴えにも耳を貸さなかった。
もう選択肢もほとんどないと思われたので、彼はもう一度、地元のWFTV局へ連絡をいれることにした。
進展が見られる
この頃、ようやくリンチはこの件について進展させていた。話を整理するべく二人の隣人が話し合いをもつまでは永遠に続くようにかんじられたが、やがてリンチは隣人と話をすることに成功した。
段々面白くなってきた。リンチだけではなく、世間のみんなが隣人から話が聞ける日を待っていた。これは隣人サイドの言い分を聞けるチャンスだ。
状況は好転してきた!
自分の言い分を証明するために、リンチは確かにその土地は自分のものだと証明する登記簿と共に、隣人に問題点を伝えた。これが功を奏し、計画はうまくいき、問題解決に向けてすべてが動き出した!
何度かの話し合いを経て、隣人はようやくリンチの私道から軽量コンクリートブロックを取り除くことで合意した。ここまでの道のりは長かったが、少しの粘り強さが大きな役割を果たした。
一つの大きな勘違い
少し経ってからリンチは、新しい隣人がついに、こんな状況を作りたかったわけじゃなかったと認めたと世間に公表した。実際、リンチは隣人が自身の行為によるものとは言え、地域での立場を失ったことを気の毒に思っていた。
このリンチが経験した一連のトラブルは、どうもひとつの大きな勘違いだけではないようだった。この隣人が他の誰かとも勘違いからトラブルになっていないことを願うしかない。
和解
リンチが新しい隣人と和解してから、リンチの味方をしていた全員がその知らせを聞いて一安心した。老人が頭を悩ませてきたトラブルで勝利をおさめたと聞くのは嬉しい限りである。
隣人がしたことは明らかに間違っていたが、人々は隣人同士が今まで抱いていた敵意を水に流し、仲良くなれるかも知れないと聞いて安心した。
希望に満ちた将来
リンチにしてみれば、かけられた厄介事を思えば隣人を恨むのは簡単だろうが、二人が仲良くなるというのは、とても望ましいことだ。しばらく二人は隣りあわせで暮らすことになるのだから、隣人とは敵対するより仲良くする方がずっと良い。
リンチのケースは時に粘り強さ、コミュニケーション、地域住民の協力と、問題を解決するために必要なものがすべて揃っていたと言える。
学んだ教訓
現在のリンチと隣人の実際の関係は我々には分からないが、この話から学ぶことはいくつもある。まず大事なのは、平和的に自分自身のために立ち上がることの重要性だ。他人からいいように扱えそうだと思われるタイプの人間なら特に。
さらに、もっとも大切なのは許すということと、ひとたび問題が解決したときにリンチがとった行動である。彼は憤慨してる様子も、怒っている様子も見せず、ただ物事が片付いたことに喜んでいた。